こんにちは、CSジャーナル編集長の大塚です。
今回は、CS実践者インタビューということで、クックパッド株式会社の渡邉さんにお話を伺ってきました。
クックパッドは「毎日の料理を楽しみにする」をミッションに掲げ、オンラインのレシピサービスを始め、家庭での料理をサポートする様々なサービスを展開してる会社。
月間利用者数は5,500万人以上で、レシピ検索やレシピ投稿といったコア機能のすべてのCS業務を担ってるのがユーザーエンゲージメント部です。
・CSがお問い合わせ対応以外で力を入れていることは?
・なぜ、CSがリアルでユーザーと会う場を設けているのか?
・ユーザーと関係性を作ることに加えて、利益貢献するために何をしているのか?
「CSの仕事は問い合わせ対応」と言う常識を捨て、ミッション達成のために革新的な取り組みを続ける渡邉さんのお話からは、これからのCSに何が求められているのかのヒントを得られます。
ユーザーエンゲージメント部 部長 渡邉真知子
大学卒業後、コマーシャル制作会社に入社し映像制作の現場管理に携わる。多忙な現場仕事を通じて、スタッフ間でいかに食事が大切なことであるかを学び、食に関わる仕事をしたいと決心。2008年クックパッドに入社。カスタマーサポート業務経験をメインとしつつ、投稿コンテンツ管理業務、会員事業ディレクター、投稿者の推進事業ディレクターなどを経て2017年3月CS領域のマネジメントを担当。オペレーションポリシーや管理ツール設計など、CSインフラ構築全般を行ったり、新しい顧客接点の開拓も行っている。
ユーザーとミッションを繋ぐCSの役割とは?
大塚
今日はよろしくお願いします!
まず最初に伺いたいのですが、CS業務を担っているユーザーエンゲージメント部の特徴は何でしょうか?
渡邉
困っているユーザーを助けるという部分最適な役割だけではなく、ユーザーがミッションと繋がることに注力しているところです。
最終的に「料理を楽しみにする」というミッションに繋がっていけば、どんなことでもしていきたいと思っています。
そのためには、「カスタマーサポートという一つの型にはまらず、フレキシブルに色々やろう」といった考えです。
新しい形の顧客接点を持つことと、「料理を楽しみにする」というミッションに繋がることを意識してやっています。
大塚
顧客接点を通して「どうやってミッションを感じてもらうか?」を考えておられるのですね。
渡邉
そうですね。今年から注力しています。もちろん、困っているユーザーを助けるということも粛々とやっています。
弊社のユーザーエンゲージメント部には3つのセクションがあります。
一つ目はミッション達成に向けたコミュニティマネジメント。二つ目は問い合わせ対応をするクオリティサポート。三つ目はコンテンツ管理をする投稿サポートです。
今、特に力を入れたいと考えているのが、ミッションベースで顧客と繋がることを目的としたコミュニティマネジメントです。ファンや愛好家を増やして、料理に可能性を感じているユーザーの皆さんと一緒に未来を語り、得られたユーザーの声をサービス開発へ繋げていく、という部分を意識をしています。
ただ早く返答するだけでなく、ゴールに向かうまでをサポートする
大塚
ありがとうございます。
ちなみに、クックパッドユーザーでお問い合わせをする方っていらっしゃるんですか?
渡邉
お問い合わせ数自体は、全体の利用者数からすると少ないと思います。多くはログイン情報を忘れてしまったというような、テクニカルサポートの部分になります。
大塚
日経トレンド(参照1)で「実際に問い合わせてくる前にこちらから先に声をかける」取り組みが掲載されていましたが、他にも問い合わせ対応に関して何か取り組みはされているのでしょうか?
参照1:https://trend.nikkeibp.co.jp/atcl/contents/casestudy/00012/00007/
渡邉
よくカスタマーサポートのKPIで返信スピードや顧客満足度があります。お問い合わせに早くお答えすること、ユーザーが期待する返答をすることで、確かに顧客満足度は上がると思います。しかしその一方で、「それだけでユーザーは満足なのか?」というモヤモヤを抱えていました。
例えば、ログインについてお問い合わせをしたユーザーが最終的にログインできたのか。
解約したいとお問い合わせしたユーザーが解約できたのか。これらのログを追いかけることで、お問い合わせをしたユーザーがゴールに向かっているかどうか、が分かることに気づきました。
お問い合わせから2週間後のユーザー行動をトラッキングすることで、実際そのユーザーがゴールに向かっているかを確認します。お問い合わせしてきたことを解決していればOKですし、解決できていなければフォローメールを送ります。
お問い合わせをした人がゴールに向かっているかを重要なKPIにしていきたいと考え、現在仕組みを構築中です。
大塚
割合が少ないとはいえ、5,500万人という利用者数からすると問い合わせ数も多いと思うのですが、一人ひとりログを追うのでしょうか?
渡邉
基本的には、一人ひとり追いかけます。ただ、そこはテクノロジーを活用することで効率化しています。設定したゴールとログを紐づけて、最終的に一致するかを判別します。
根底にあるのはファンベースの考え方
大塚
ミッションである「毎日の料理を楽しみにする」につながることを全部署が意識していると思うのですが、ユーザーエンゲージメント部としては、具体的にどんな取り組みをしているのでしょうか?
渡邉
始まりは、代表から「クックパッドというプロダクトやメディアを通じてユーザーと繋がることとは全く異なる、新しい繋がりを考えて欲しい」という今まで自分が考えていたCSの枠を超えたテーマを与えられたことです。
それはどういうことなのか?というゴールを考えるところからプロジェクトが始まりました。
漠然とファン形成、応援してくれているユーザーと関係を作っていく。後は、アッと驚くような期待を超えた喜びを通じて、ユーザーに想いを届けることだと思っていたのですが、それって具体的にはどうすれば良いんだろう…と悩んでいました。
そんな中で「ファンベース」という考え方に出会いました。「企業とユーザーが同じ目線で同じ方向を向き、現在だけでなく未来に向けて価値を共創する」という考え方が私の中で一番腹落ちしたので、ファンとの関係を作ることに集中することにしました。
ファンベースをもとにプロジェクトを進めていくなかで発見した課題が、「クックパッドは便利なレシピサービス」というブランド認知が強いということです。「便利」というのは良い評価なのですが、一方で「料理を楽しみにする」というミッションまでの距離を感じました。
クックパッドはレシピサービス以外にも、料理を取り巻く買い物や調理、後片付け、食育や食材を育てること、といったことにも挑戦していく使命があることを、ユーザーに伝える必要があると感じました。
そして、“ユーザーと直接繋がり、ミッションを伝えていくこと”はCSの私達にしかできないことだと思い、そこに取り組むことにしました。
大塚
広報によるPR以外でもユーザーに直接伝えていこうという取り組みなんですね。成果についてはどのように決めているのでしょうか?
渡邉
試行錯誤しているのですが、繋がった人たちの中からレシピサービスを超えてミッションに共感できる人たちが一定数生まれることは成果の一つです。
もう一つの成果は、ユーザーの声を開発のサイクルに乗せることです。
より生きたユーザーの声を開発サイクルに乗せて、ユーザーと開発チームを繋いでいくことも成果だと考え始めています。
ユーザーと開発チームが会うこともあるのですが、毎回初対面になってしまうので、アイスブレイクから始めて、本音を引き出すまでに結構な時間がかかってしまうという課題があります。
なので、ざっくばらんに本音を語ってくれるユーザーとCSの私達が繋がり、そこから開発サイクルに繋いでいくことが、価値あることだと思います。
リアルの場で得られた声を開発に還元する
大塚
良い面も悪い面も言ってくれるファンと普段からコミュニケーションを取っているのでしょうか?
渡邉
まだ取り組みとして始まったばかりなのですが、愛着持って使っていただいているユーザーさんとは月2回ほど座談会(参照2)を開いたりしています。今年に入って数十人のユーザーさんと直接コミュニケーションを取ることができました。
参照2:https://www.withcooks.com/entry/2018/07/31/095016
大塚
その座談会はどういった方が来られるのですか?最初からミッションに共感しているユーザーでしょうか?
渡邉
実際、参加してくれるユーザーが、はじめからミッションに共感してくれている…といったことは少ないです。
なので、クックパッドとはどんな会社で、どんな人達が働いているのか。そしてオススメするレシピを教えてもらえる、といったところに最初は期待いただいています。
実際にお話する中で、社員もユーザーと同じような料理に関する悩みを抱えていることや、コンテンツを作成した背景を知ってもらうことで、私達のことを理解してもらえればと思い、座談会を開いています。
大塚
対面で会うことでキャラクターの部分が伝わるので、インターネットサービスを越えられますからね。
渡邉
そういった場で「働いている人が楽しそう!」と言ってもらえると、あらためて良い仕事が出来ているなと感じます。
大塚
そのように深く関わることで、数字の面での改善はありましたか?
渡邉
別の施策にはなるのですが、ヘビーユーザーの方にサービスの利用で困っていることをじっくりとお話を聞いて、それを元に新しいサービスを作って提供しました。
大塚
開発の面でもWebからの情報だけでなく、対面だらこそ得られる情報があると違いますか?
渡邉
アンケートのような定量的なデータを活用しながら、定性的な調査も重要視していますね。全社としてもユーザーに直接インタビューすることを重視していて、5人くらいにじっくり話を聞く、ということを様々な場面で行っています。アンケートとインタビュー両方の結果から判断しています。
元々、開発チームがユーザーの話を聞くことに対して意識が高いので、私達はそれをより効率的にするための施策を実施してきました。
大塚
座談会の人数を多くできると良いですよね。
渡邉
スケールするかどうかは悩ましいんですけど、貴重な出会いを大切にして、出会えなかった方には別の出会いの機会を作っていくことが次のステップかなと思います。
より本質的なCSの仕事でメンバーにやりがいが生まれる
大塚
例えば、CSとマーケティング部署との連携はあるのでしょうか?
渡邉
弊社の場合、マーケティングの部署でやることは、新規の入会・登録と広告です。ユーザーエンゲージメント部としては、マーケティングではやらないところをカバーしています。
例えば、ミッションレベルでの共感いただくための取り組みは、入会・登録の段階ではやらないので、そこに踏み込んでいます。
大塚
ミッションに共感してもらう取り組みをする中で、社内での意識変化などはありましたか?
渡邉
元々、今いるメンバーのほとんどがお問い合わせ対応をしてきたので、今はより本質的な仕事をできていることを楽しんでいると思います。今までやってきたこととは、求められるスキルが全く異なるので、そこも楽しんでくれています。
座談会での「こういった話し方をすれば、ミッションに共感してもらえるね」といった工夫をメンバー皆んながしてくれています。
大塚
ユーザーと繋がるというところで、参考にしている企業やブランドはありますか?
渡邉
先程お話したファンベースの考え方を参考にしています。以前は、基本的に困ってるユーザーとはよく話をしていたのですが、サービスを楽しんで使ってくださっているファンとは、あまり話をする機会がありませんでした。
そのためユーザーと話をする時は緊張していたのですが、それでは関係性を構築できないので、笑顔で話してフランクに接するように意識するようになりましたね。
頷きポイントを作ることで関係性を深める
大塚
料理というところで、ユーザーと共通点は見つけやすそうですね。
渡邉
そうですね、会話はよく弾みます。会話をしながら「うん、分かる」という頷きポイントをたくさん作ることで関係性が深まる感じがします。料理は頷きポイントがたくさんあるので、私達とユーザーさんだけでなく、ユーザー同士も共感し合えて繋がりを生みやすいと思います。
大塚
ちなみに、社員の皆さんは料理がお好きなんですか?
渡邉
実は、私はあまり料理しないのですが、料理好きな社員が多いですね。ランチ時間は社員が昼食を自作するので会社のキッチンが大混雑することもあります。
大塚
そうなんですね。渡邉さんが入社されたきっかけや背景はどういったものでしょうか?
渡邉
前職ではCM制作をしていて、制作中はほとんど家に帰れない状態でした。そんな時、ロケ現場や編集中に「ご飯作ってよ」とスタッフから言われて作ったことがあって、会社の簡易キッチンで簡単なものを作って振る舞ったのですが、それがすごく喜ばれたんです。
その時「食を通して誰かに喜んでもらうって良いな」と感じたのと同時に、「でも、本当は皆んな家で家族と食卓を囲んで食べたいよね」とも思いました。
その後、転職を考えていた時に「家庭の食を通して誰かを幸せにできる事業」をやっているところを探した時に、クックパッドに出会いました。
そういった話をユーザーさんとしていても、やっぱり家でご飯を食べる幸せというのは、とても共感してもらえます。
大塚
そういう原体験を語るのは良いですね。
渡邉
そういった話をしながら「誰かに美味しいって言ってもらえるのって良いですよね」と私が座談会で話したら、隣にいたユーザーさんがすごく共感してくれて、ついには泣き出してしまいました。誰にでも経験あることなんだな、と思いました。
今の風潮的にあらゆることが便利・簡略化していますが、料理はクリエイティブな要素があって、大変だけどその分喜んでもらうことができると思うんです。
女性も働いている方が増えてきているので、忙しくて大変だとは思いますが、そんな中でも料理を楽しむということは残り続けて欲しいというのが私達の想いです。そのために手伝えることは何でもやりたいですね。
アンケート回答者へ継続した顧客接点の作り方
大塚
御社のユーザー数は相当だと思うのですが、例えば大人数でのイベントなどは行われないのでしょうか?
渡邉
過去に何度かはやったことはありますが、今はやってないですね。でもそういったお祭りのようなイベントはユーザーも楽しみにされてますし、喜んでもらえるというのは、直接会って話を聞くことでヒシヒシと伝わってきますね。
大塚
リアル以外でも顧客接点を持つことはあるのでしょうか?
渡邉
過去にアンケートに答えてくれた方にお礼の気持ちとして、メールで暑中見舞いを兼ねて夏のオススメレシピを送りました。それ自体の効果は今後測定していければと思うのですが、せっかく声を聞かせてくれた方とは季節のお便りを送る関係にはなりたいということで、第一弾として暑中見舞いをお送りました。
大塚
オンラインでもコミュニケーションがあると関係性も変わりそうですよね。御社のアプリでのアプローチも行っているのですか?
渡邉
アプリの通知では実はそういったことは行わず、メールアドレスに送信してます。アプリでの効果的な施策は今後の課題ですかね。
大塚
なるほど。ユーザーエンゲージメント部は、ITやシステムには詳しい方が多いんですか?
渡邉
比較的詳しいメンバーが数名いてソリューションを考えている感じですね。システムを全くわからないメンバーだけだと難しいと思います。
大塚
CSって幅広い知識が求められますよね。顧客対応はもちろん、システム、マーケティング、デザインの知識なんかも必要ですよね。
渡邉
広く様々なことをわかっておくために社内のコミュニケーションは大切だと思いますね。
お互いの強みを掛け合わせてベストパフォーマンスを引き出す
大塚
今後、ユーザーエンゲージメント部をどんなチームにしていきたいですか?
渡邉
一人ひとりがゴールを意識して、そのゴールに向かのに必要なソリューションを提供するためにスキルを学んでいって欲しいと思います。必須のスキルを求めているのではなくて、強みと弱みをチーム内で掛け合わせて、ベストパフォーマンスを引き出すことを、組織のマネジメントとしてはやっていきたいですね。
ただ、会社的にも強みを持とうとは言っているのですが、自分の強みって自分ではわからなかったり、周りの人の強みもわからない、と言った声をメンバーから聞いて「なるほど!」と思いました。
なので、最近私とリーダー陣とで、メンバーの強みを言い合うことをしました。
そうすると自分では気づけなかったメンバーの強みにも気づけるので、采配にも活かせます。結果的に、停滞していた作業が一気に加速することもありました。
自分たちの強みをしっかりと把握してチーム内で掛け合わせていく、ということを自分たちでできるようになることをすごく意識しています。
大塚
確かに、強みって明確にはわかりづらいですよね。
渡邉
自分で思っている強みと人からの評価も違いますからね。
大塚
渡邉さんは、ご自身の強みはどう捉えているのですか?
渡邉
公平性があるとは言われますね。あとは過去の慣習に縛られないことでしょうか。向かうべきゴールがわかれば、少し前まで当たり前のようにやっていたことも割とスパッと辞められるんです。
大塚
それは、CSがユーザーをミッションに繋いでいく、という新しい取り組みをする上では適任ですね。
渡邉
割と踏み込めてしまいますね。勇気はあるのでしょうかね。
開発とユーザーを繋ぎ、ユーザーをミッションに繋ぐ
大塚
リアルな場を持つ取り組みは素晴らしいですが、数字が付いてこないと継続は厳しいと思うので、その辺りのバランスは難しいですよね。
渡邉
「それをやったから何なの?」と言われがちな領域ですが、幸い弊社の開発チームがユーザーの声を取り入れることを重視しているので、そこに対して貢献できるという認識を会社として持っているのはありがたいですね。
開発チームがユーザーの声を取り入れることを加速化し、そして最大化するためにできることを考えていきたいです。
また、開発チームに繋ぐだけだとユーザーも消耗してしまいますので、ユーザーと繋がるからには、もっと仲良くして、食の未来を一緒に考えていける関係性を築きたいと思います。
開発チームは開発で集中してもらって、私たちは私たちでミッションに繋いでいくところを担うバランスはしっかり取っていきたいですね。
大塚
CSだからこそ、ユーザー側の立場に立って、ユーザーと会社を繋いでいけるのでしょうね。
まとめ
渡邉さんのお話からは、ユーザーと関係性を深めることで、ソリューション開発の効率化とミッションの達成に取り組む、全く新しいCSの姿が見えてきました。
クックパッドを愛用しているユーザーと接点を持ち、ファンになってもらうことで、一緒に「毎日の料理を楽しみにする」というミッションを達成をしていく。そのためには、これまでのカスタマーサポートの枠組みにはまらない取り組みもどんどん取り入れていく姿勢が感じられました。
ただユーザーと繋がることにとどまらず、しっかりと開発に繋いでいくことで会社の利益にも貢献することを忘れないことも、大切であることがわかりました。
リアルな場を持って自分達のことを知ってもらい、料理の話題で共感し合って関係性を深める。オンラインでもメールを使った積極的なアプローチで価値提供をするなど、参考になる点がたくさんありました。
これから挑戦していくところも多々あるということで、今後の動きも注目して追いかけたいと思います。
■大塚 真吾
プロサッカークラブのマネジメント職を経験後、ダイレクトマーケティング支援の株式会社ファインドスターに入社。サブスクリプション型の通販のマーケティングを100社以上支援。2013年、スタークス株式会社に入社し、2016年取締役に就任。現在、クラウド型の物流プラットフォーム「クラウドロジ」とLINE@に特化したCSツール「CScloud」を提供。