さくらインターネット株式会社
カスタマーケアオフィス 亀井 優子
百貨店店員等を経験後、一時は専業主婦となるが、2005年より家電メーカーの修理受付担当としてCSとしてのキャリアを開始。2007年1月、さくらインターネット株式会社に派遣社員として入職。2008年10月に正社員として入社。2018年4月よりカスタマーケアオフィスユニットの副センターマネージャーを務め、「関西CS女子会」を発足。優秀な女性たちにCSの魅力を知ってもらうため、イベントや勉強会開催を通じて活動中。
CS Women’s Success Nightとは
“カスタマーサクセスを担当している女性による、すべてのカスタマーサクセス担当者のための、楽しく学びのあるイベントです”。
Vol.1は、カスタマーサクセス担当者として活躍中の女性4名の「カスタマーサクセスに対する思い」がどんどん引き出されていく、一瞬たりとも聞き逃せないパネルディスカッションと、登壇者&参加者のとても前向きな交流会の二部構成でした。
https://cs-women.connpass.com/event/91697/
モデレーター
· GMOペパボ株式会社 EC事業部 カスタマーサクセス リーダー
· 株式会社BANK オペレーション・アドバイザー
宇賀神 卓馬 さん
スピーカー
· 株式会社グッドパッチ
Prott カスタマーサクセス/プロダクトマネージャー
片山 彩夏 さん
· 株式会社トクバイ
活用支援部 副部長
佐藤 美季 さん
· 株式会社エアークローゼット
カスタマーコミュニケーショングループ CSチームリーダー
一本 優華 さん
· 弁護士ドットコム株式会社
クラウドサイン カスタマーサクセス担当
高橋 由美 さん
そもそも、カスタマーサクセスって?
という方は、是非とも カスタマーサクセス~サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則~ を読んでみられることをお勧めします。私も上長が貸してくれて読んでみたのですが、ビジネスを考えるときに根本に持っておくべき考え方だと思いました。・・ちなみに私は出版社の回し者ではありません(笑)
私がCS Women’s Success Night vol.1に参加&レポートを書かせていただくことになった経緯と思い
ちょうど1ヶ月半前の5月30日に、弊社さくらインターネットの大阪本社でCS Beer Bash OSAKA Vol.11~CSイレブン+ONE から始まるCS communication~(以下、CSBBO Vol.11)が開催されました。豪華登壇者各位が、パネルディスカッションにてCSへの熱い思いを語る!というイベントだったのですが、そこで私は「CS女子の部」のモデレーターとして参加させていただきました。
その懇親会の場で、東京から参加されていた笑顔がとっても素敵な女性:片山 彩夏さんに出会いました。CS Night(https://csnight.connpass.com/)の運営に携わるなど業界を盛り上げられているとのことで、片山さんと東西コラボでCSを盛り上げていきたいと思っていました。
しばらくして、CSBBO Vol.11のアンサーイベントとして「CS Women’s Success Night Vol.1」が開催されることを知りました。どうしても参加したい!と思った私は上長の出張許可を得て大阪から参加させていただくことになりました♪
せっかく参加させていただくなら・・CSBBO Vol.11との比較や、東西の懸け橋になるようなレポートを書いてみたい!と思い、またもや上長の力を借りて、CSジャーナル編集長の大塚さんに無理なお願いを聞いていただき、ここにレポートを公開いただけることになりました。ありがとうございます!!
ここからは、そんな私から見たCS Women’s Success Night Vol.1 の様子をお伝えしていきますので、最後までお読みいただけると嬉しいです。
カスタマーサクセス担当者として活躍中の女性4名の「カスタマーサクセスに対する思い」をCS界のスーパースターが引き出す、濃密なパネルディスカッション
モデレーター、スピーカーの5名より、自己紹介の後「女性としてのカスタマーサクセス」について熱~く語られました。
カスタマーサクセスから広がる、カスタマーサクセスのために描くキャリアパス
宇賀神
CSのキャリアパス、というのは色々なところで語られています。
本日は女性、というところで、それぞれ皆さんが思い描かれているキャリアパスを伺えればと思います。
佐藤
部長などの役職は目標ではなく、「能力」を身につけていきたいですね。ゆくゆくその視点をもったうえで、カスタマーサクセスマネージャーやプロダクトマネージャーなどもやってみたいです。
一本
CSをやっているといろんなキャリアへの可能性が見えてくるので、今の事業の中で成果を積み上げながら、最終的にはカスタマーサクセスに根差したビジネスを自身で立ち上げることを目標にしています。
片山
今は、カスタマーサクセスのために、プロダクトマネジメントの業務もやっています。関わる相手の都合が分かることがすごく大事だと感じているので、プロダクト開発に関わることは何でも興味を持って「浅く広く」まずは勉強しています。カスタマーサクセスとして、幅を広げていきたいです。もう少し先の話ですと、フリーランスのカスタマーサクセス、という働き方も面白そうですし、あるいはCCO(Chief Customer Officer)を任せてもらえるくらいになりたいです。
高橋
CSを担当するようになって、ユーザさんと営業や開発などを繋ぐ役割としてたくさんの人と関わるようになり、エンジニアやデザイナーなど、色んな職種にも興味が広がってきました。チャンスがあれば、いろいろなことをやってみたいです。
参加者としてひとこと
4名とも共通しているのが、ものすごいほどのチャレンジ思考!カスタマーサクセスに関わると、いろんなキャリアが見えてくるので、その結果どんどん前向きになってくる!とも言えると思います。
こんな人と一緒に働きたい!
宇賀神
どんな人と一緒に働きたい?というテーマですが、この中で面接に関わっていらっしゃる方はどれくらいいらっしゃいますか?
一同
挙手
宇賀神
皆さん関わっていらっしゃる、ということで、佐藤さんからお願いします。
佐藤
自分なりに原案をもって考えて話せる人ですね。何かを改善したり新しい施策を始める時などに、指摘したり問題点を挙げたりできる人は多いですが、そういう人ではなく、実際にアクションを起こせる人と一緒に仕事がしたいですね。
宇賀神
面接のときに、そういう人であるかどうかを引き出すキラー質問があれば教えてください。
佐藤
キラーじゃないですが(笑)直近やってこられた改善について、どういう内容をどういう人たちとどのようにやってきたか、を聞くようにしています。
宇賀神
僕も全く同じことを聞くのですが、前職の嫌だったところを教えてください、とも聞きますね。どれくらいやむを得ない状況だったのか?を確認するようにしています。
一本
私は、改善案について自分だったら具体的にどうするかを考えられる人ですね。あとは例えば、クレームをおっしゃるお客様がいたとして、その方に感動してもらうにはどうしたらいいか?等、ポジティブに考えられる人がいいですね。
片山
弊社では、お客様へのサポートや社内のコミュニケーションにチャットを使っているので、ライティング能力を重要視していて、採用時にテストをしています。
宇賀神
どのようにテストされているのですか?
片山
面談のあと、宿題形式で回答していただくようにしています。時間があるので、調査能力なども見ることができるのですが、回答自体が合っているかどうかより、なぜその回答をされたのか、という理由の部分を重要視しています。
プロダクトの性格に合った書き方をされているか、自分で調べる能力、ライティング能力、どういう思考をされているかなど、総合的な視点で見ることができるので、ライティングのテストはやってよかったと思っています。
宇賀神
もう、僕パクるの決定してます。
一同
(笑)
片山
どうぞどうぞ!
それと、マインドセットとしてはデザインが好きな人がいいですね。会社にカルチャーフィットしている人。あと、CSは人懐っこさで8割くらい仕事が回ると思っているので、人見知りしなくて、自分から興味を持って聞き出せる人かも見ています。
宇賀神
神経質で、完璧に知識が身につかないとお客様とお話できないような人だと、滑り出しが苦戦しますよね。いい意味で、ちょっとだけ雑な人がいいですね。乗りの良さはマスト。
高橋
カスタマーサクセスの経験者はまだ少ないのもあり、経験値はなくても良いと思っています。それより、自発的に行動できる人がいいですね。キャラクターも重要で、エンジニアなどとの懸け橋になるので、コミュニケーション能力がある人ですね。
参加者としてひとこと
実際に採用に関わる4名が一緒に働きたい人・・共通キーワードは、自発的に行動できる人!でした。大事なキーワードなのでもう一度言います(笑)自発的に行動できる人!です。
私がずっと意識しているのが、他人事にしないで当事者意識をもって関わること、なので、通じるものがあるなと心の中で喜んでいました。お客様の成功を考えるうえでも、本気でお客様の立場に立って考えて行動するうちに良いアイデアが浮かんでくるものだと思っています。
働き方改革について
宇賀神
女性の働き方について、例えば出産などのライフイベントを迎えてどのくらい大変、などの声をよく聞くのですが、どういう制度があったらもっと働きやすいのか?提案があればお願いします。
佐藤
弊社で取り入れてよかったのは、リモートワーク、フレックスタイムですね。
出産・子供の看病などもそうですが、緊急の出来事は男女ともに誰にでも起こるものだと思います。そういう時に、定時ではない働き方ができるので助かっています。
宇賀神
一番くだらない仕事が通勤だと思っていて、通勤時間は何も生み出さないんですよね。部下が出産を迎える経験を3・4度しているのですが、みんな口を揃えて、通勤は無理だけど働きたい、と言いますね。妊娠中に満員電車で通勤する話を聞くと、本当に大変だなと思います。
一本
取り入れてよかったのは、シフト制ですね。お子さんの年齢などによって、働きたい時間も違ってきますし、働く日数や時間が調整できる制度で、助かっています。
片山
フルフレックス制度を試験的に導入しているのですが、実際に活用してみると前日の夜遅くなってしまったときなども、出社を遅らせることで睡眠時間が確保できて、仕事もしっかりできるので、すごくいいです。
宇賀神
僕は実は、フレックスには否定派です。ミーティングが組みづらくなるのと、同じ時間に仕事終わった、飲みに行こう!というのが好きなので。それで言うと、リモートワークだと、多少不自由ではありますがskypeでもミーティングはできますし、今既にOculus Goを使っている感じだと、VRミーティングができるようになってくるのも近いと思いますね。
今、小さいお子さんがいてリモートワークをしているメンバーがいるチームでは実際にOculus Goを使ったミーティングを実施しています。すごくいい!という声が挙がっていますね。
片山
すごい!!Oculus Goだとリアルタイム感が強そうですよね。男性社員であっても女性社員であってもお子さんがいらっしゃる場合は、特に柔軟に対応できるようVRミーティングの導入などで制限なくリモートワークができるといいですね。我々はインターネット業界の住人なのでどんどん活用していって、広められるといいですね。
高橋
弊社もフレックスタイム制を導入しているのですが、現在は3名のメンバーでチャットサポートをやっているので、まだ営業時間に人が揃っていないと難しいところもありますね。でもメンバーで協力してカバーし合いながら楽しくやっています。チームワークが大事だと思っています。
宇賀神
そうですね。チャットや電話などの待ち受け型のCSはフレックスとの相性の悪さはどうしても出ますよね。通勤が難しい時など、やっぱりリモートワークができるといいですね。
電話対応もできますよ。
参加者としてひとこと
インターネット業界の住人の私たちから、VRミーティングをはじめ新しい働き方を提案していきたい!激しく同意です!!お子さんが小さくて通勤は難しいけど働きたい、という方などの希望を叶えるべく、社会に向けてアピールしていきたいです。
一言でいうと、CSとは??
宇賀神
最後に一言ずつ「あなたにとって、CSとは?」を伺いたいと思います。
いかがでしょうか?
佐藤
“チャレンジ! ”ですね。
・・業務を行う中でセールス側・プロダクト側の垣根なく、幅広く他部門と関わります。その中で、やりたいと思えば様々な方向に手を広げられるので、チャレンジ、としました。
一本
他部門とのコミュニケーションも含め、組織のすべてのメンバー、サービスのすべての情報を知ることができるので、成長意欲のあるビジネスパーソンにとっては“ステップアップに最適なキャリア”だと思います。
片山
どういう存在でありたいか、で言うと、“プロダクトのハブ”ですね。
ハブであるCSがリードして、CSがあるからこそプロダクトが一歩前に進める、という存在になりたいです。まだまだなので、理想に近づけるように頑張ります。
高橋
“人と人とを繋げるかけはし”でありたいです。ユーザさんや中のたくさんの人を繋ぐかけはし、ですね。
参加者としてひとこと
これこそが、CSの存在価値、ですね。CSは、人と人とをつなげる、キャリアアップにつながる、一生に一度は経験するべき職種!(笑)だと思いました。
意識の高い参加者たちを繋いだ懇親会
私がCS Women’s Success Night Vol.1 に参加してみて一番驚いたことは、参加者の方々のイベントに対する向き合い方でした。参加者の半数以上の方々が、それぞれPCやノートにディスカッションの内容を一生懸命メモされていて・・・初めは、レポート担当の方(ライバル?!)がたくさんいる!と思ってしまいましたが(笑)
他社での成功事例や新しい取り組み・考え方や、ディスカッションの内容を聞いて思いついたアイデアなどを書き留められて、それぞれ自社に持ち帰って検討されるのかな、と思います。私は大阪ではいつもゆるーいイベントに参加していることもあり(笑)こんな光景を見たことがなかったので心底驚きました。
懇親会では、そんな意識の高い参加者の皆さまとアグレッシブな登壇者の方々とが繋がって、CS運営のアイデアなどの話に花が咲き、それぞれが充実したひとときを過ごされていました。
まとめ
今回のパネルディスカッションを目の前で聞くことができて、あらためて、女性のチカラは偉大だと感じることができました。女性の柔軟なアタマから生まれるアイデアは、日本・・いや世界経済の成長に欠かせないと思います。
時短勤務やフレックスタイム制度、リモートワークなどを積極的に導入する企業が増えて、子育てや家事をしながら社会に出て働く女性たちの成功体験が積み重なることで、すべての人々の働き方も変わり、より良い社会へと変わっていける気がします。
大阪から参加させていただけて幸せなSuccess Nightでした。
ありがとうございました。
また、今後もCS Women’s Success Night は不定期に開催される予定とのことです。
次回以降参加してみたい、という方はこちらにご登録ください:https://cs-women.connpass.com/
こちらも負けずに、関西CS女子会の活動も本格化していきますので、ご興味を持っていただけた方は、是非Facebookグループにご参加ください:https://www.facebook.com/groups/1816146875354822/