今回のインタビューは「 “理想の姿”を叶える」という理念をもとに、様々なD2Cブランドを展開する株式会社HRCの皆様にインタビューをさせていただきました。HRC様は各ブランドでLINEを活用しており、その利用方法は新規獲得からCRM、CSへと多岐にわたります。
今回のインタビューでは、2日に1回LINEを配信してもブロックされない、最大ROAS1,200%を超えるHRC様のLINEのCRM施策について伺わせていただきました。
一体どんな秘密があるのでしょうか?今回のインタビューでは担当者様から直接CRM施策の裏側を伺ってきました!
ブランドを複数展開されていると思いますが、それぞれのブランドや商品の特徴について教えて頂けますか?
HRCは「変わっていく。今の自分が好きになる」「いつまでも、あなたとのつながりを大切に」というブランドメッセージを掲げ、女性のちょっとした不安を、自分を変えていく原動力にして全ての女性に生き生きと輝いていてほしいと願っています。そんな想いから、HRCでは3つのナイトブラブランドとインティメイトケア※ブランドの合計4ブランドを展開しています。
ナイトブラのブランドは、「いくつになっても美しい姿でいられるように」という思いから生まれた『VIAGEシリーズ』、AAAカップ~Cカップの小胸さんの為に『ωライン』を整える特許取得の特別設計が施されている『LUNAシリーズ』、家ではブラが窮屈だから外したい、でも胸が垂れるのは嫌。そんな声に応えるために生まれたブランド『Nmerry』の3ブランドを展開しています。
インティメイトケアブランドのlaugh.は日本の女性にインティメイトケア※のグローバルスタンダードを発信していくインティメイトケア専門のブランドです。
※正しい方法でデリケートゾーンをケアすること
なぜ、そんなに配信できるのか?
HRCブランドならではのLINE活用方法
CRM施策においてLINE公式アカウントはどのように活用していますか?
ID連携直後のクロスセルや、クロスセルを目的としたキャンペーン配信、商品の使い方や商品理解を促すステップ配信、色やサイズ、香料をLINEで簡単に商品変更できるようにすることで継続率をアップさせる施策で活用しています。
特にインパクトとして大きいものは、ID連携直後に配信している「最大割り引きクーポン」の配信は客単価の向上に大きく貢献しています。しかし、新規購入直後に最もID連携されるため、新規獲得件数の推移に依存している施策でもあります。
その為、単発のクロスセルを目的としたキャンペーン配信をおこなっており、ブランドごとの特別オファーや、季節のイベントに合わせた特別キャンペーン、年代別の配信など様々な切り口でキャンペーン配信をおこなっています。HRCのLINE公式アカウントでは、多い時では2日に1回ぐらいのペースで配信していますね!
2日に1日配信できること自体がすごいと思います!
なぜそんなに配信できるんですか?
ブランドが複数あるので、それぞれのブランドのキャンペーン配信を行うだけで頻繁に配信を行うことができます。さらに、それぞれのブランドごとにキャンペーンやオファーが複数あるため、結果として高頻度で配信できています。ただ、これだけ配信しているんですが、ブロック率もそれほど上がらず、配信あたりの購入数もキープされているのでLINEの凄さをいつも感じています。
ただやはり、ブロック率も少しずつ上昇するので、配信のセグメントを顧客属性ごとに分けたり、価格を安くするオファーの配信だけではなく、お客様のなりたい理想の姿を実現するためのコンテンツ配信なども強化し始めています。
LINEの配信施策の費用対効果は?
最大ROAS1,200%の秘密
LINEは1通あたりコストがかかりますが、施策の費用対効果はいかがですか?
毎月、数十万人に複数回配信しているためLINEの配信金額は安くはないです。しかし、ROASは良い結果になっていると思います。
VIAGEとLUNAの配信では最大ROAS1,200%という成果がでているので、費用対効果としては良いと考えています。また、キャンペーン経由の売上以外にもカラーや香料など商品変更可能な案内をすることによって継続率の向上にも貢献しているのでLTVという観点からも費用対効果は良いと思います。
キャンペーン配信ではどんな数値をチェックしてますか?
また、配信回数はどのように決めていますか?
配信経由の売上とブロック率をチェックしています。
様々なブランドで様々なキャンペーンがあるため配信の種類も多岐にわたります。
そのため、どの種類のキャンペーン配信だと
・どのくらい配信経由で売上を作ることができるのか?
・何回配信するとブロック率があがるのか?
・何回目の配信から売上が減り始めるのか?
といった配信ノウハウを溜めており、そのデータを参考に配信回数を調整しています。
例えば、日々のキャンペーン配信は「このキャンペーンは1ヶ月に〇〇回まで」のように施記事ごとに配信頻度を決めています。
同じオファーを毎週配信していたんですが、6ヶ月経過しても成果が出続けている施策もあるのでLINEの成果には驚きです。
※弊社作成のイメージ図
なぜ、ここまで配信してもブロックされず成果が出続けるのでしょうか?
商品や顧客属性、季節性イベントなどキャンペーンの切り口を工夫していることや、ブロック率の状況を見ながらクリエイティブを変更していること、LINEで商品変更できる利便性など、様々な工夫を行っています。このような工夫の結果もありますが、そもそも商品やブランドのファンの方が友だち登録してくれているというLINEの特性が実は大きいという観点もあると思います。というのもメルマガのように、購入したら自動的に配信できるのではなく、LINEの場合、自ら友だち登録を行う必要があります。なのでロイヤリティーの高いお客様を集めることができると考えています。
LINEはメールに比べて2倍以上の購入数!?
チャネルの使い分けの方法
メールと比べてLINEはどんな成果がでているか?
キャンペーンの配信をLINEとメールで比較すると、LINEはメールに比べて2倍以上の購入数になることが多いです。またLINEの場合、メールに比べ配信するクリエイティブの内容を色々と調整することができるので施策の内容もブラッシュアップしやすいと思います。
例えば今まではLINEで画像バナーのみ配信していた内容を、画像、テキスト、CTAのボタンを組み合わせ、記事LP風のクリエイティブに変更したところ、CVRが大きく改善されました。
※弊社作成のイメージ図
特に、顕著にメールよりもLINEの方が申し込み率が良い施策が、カラーや香料の商品変更の申し込みです。メールでも同じ施策をやっていますが、LINEの方が3倍近く申込数が多いです。メールだと問い合わせフォームで変更内容を受け付けるためお客様の導線が分かりづらいのに対して、LINEだと感覚的に変更内容を申込できるのでこのような成果がでていると思います。
チャネルごとにどのような施策をおこなっていますか?
現在はメール・LINE・DMと複数のチャネルでCRM施策を行っています。それぞれのチャネルの特徴に合わせて見せ方やクリエイティブは調整していますが、案内する施策は共通のキャンペーンを案内しています。一方、DMは独自の配送シナリオがありMAツールで配送タイミングを管理しています。メールやLINEだけではどうしても情報を届け切れないお客様がいるため、DMを活用してキャンペーンやLINE公式アカウントの存在に気づいてもらえるように、全体を設計しています。
価格訴求の配信ばかりだと消耗してしまう。だからこそ振り向いてもらえるコンテンツを強化したい。
今後どのような取り組みを強化していきたいですか?
LINEは日々利用している中で簡単に必要な情報を確認できることが特徴だと思っています。そんな特徴があるからこそ、「ナイトブラが流行っているから」というお試し感覚で購入された方や、キャンペーンなどの「オファーの魅力」で購入している方に価格勝負のオファーを繰り返し配信したとしても、消耗戦になってしまいます。
なので、お客様にとって必要な情報を気軽に見れるようなLINE公式アカウントを作ることによって、価格やオファーの内容で勝負しない、差別化ポイントを見つけていきたいと考えています。
実際にHRCのLINE公式アカウントではナイトブラの正しい付け方や、ブラの買い替えのタイミング、バストアップに良い食事や栄養などお客様の理想の姿に寄り添ったコンテンツの配信を強化しています。